呉軍テント内で周瑜(しゅうゆ)が諸将に命令を下している。しかし、老将黄蓋(こうがい)が異議を唱えた。これに腹を立てた周瑜は、黄蓋を棒叩きの刑に処し、とりなした甘寧(かんねい)をも侮辱した。この光景を、曹操方から投降してきたばかりの蔡和・蔡中(さいか・さいちゅう)がつぶさに観察している。 作戦会議後、魯粛は諸葛亮に黄蓋の件で不満を漏らした。すると諸葛亮は、あれは全て演技であったと答える。周瑜と黄蓋の魂胆を看破していた。 傷だらけの黄蓋のもとに、参謀沢(かんたく)が訪れた。沢も演技であったことを見通していた。黄蓋は彼に曹操への書簡を手渡し、密使として送りこんだ。
最強武将伝 三国演義