戦争に負けてから10年、人々の暮らしはまだまだ貧しかった。 雨の日、少年院に搬送される六人の少年達。一般のバスに乗せられて晒しものにされ、少年院に着いても身体検査の名目で辱めを受ける彼らは、もはや人間として扱われてはいなかった。
そして、彼らが収監された二舎六房には一人の男が座り、静かに本を読んでいた。桜木六郎太(アンチャン)である。少年達は彼の挑発にいきり立ち、ケンカをしかける。 担任教師に全治三ヶ月の重傷を負わせた水上真理雄(マリオ)。母親の交際相手に暴力をふるった遠山忠義(ヘイタイ)。窃盗、詐欺、無銭飲食…数多くの罪を犯してきた前田昇(スッポン)。自分を犯そうとした相手に重傷を負わせた横須賀丈(ジョー)。泥酔して暴力行為を犯した松浦万作(キャベツ)。詐欺、横領、置引を働いた野本龍次(バレモト)。戦争のあおりを受け、それぞれが何らかの罪を犯した彼らは自分しか信じられず、ここに来てまでナメられるわけにはいかなかったのだ。
RAINBOW 二舎六房の七人