渦巻く羽根が瞬時にして雑鬼を葬り去る。放たれた先には一人の男が……。 その男は、毒の羽根を操る薬師の妖怪、鴆{ぜん}。薬、毒薬を司る妖怪として奴良組配下の鴆一派を束ねる頭領である。鴆は奴良組三代目を継ぐリクオの晴れ姿を一日も早く目にしたいと手下の妖怪・蛇太夫を従え奴良組へとやってきた。しかし当のリクオは三代目を継ぐ意志はなく、ぬらりひょんからはそれが悩みと告げられる。鴆は直接リクオにその意思を確かめようとするも、いい返事は聞けなかった。失望する鴆に蛇太夫は「跡継ぎがあのように腑抜けならば組の将来はない」と、組から離れることを提言する。 元は薬として備わっていた美しいまでの鴆の羽根。しかしその羽根も元服を境に毒へと変わる。もとより体の弱い鴆は自らの毒によって冒され、今ではその体も自らの毒に蝕まれている。その自分を慈しみ、一派を任せるほどに重用してきた恩のある奴良組を裏切るわけにはいかなかった。
「そう長くは生きられない」と苦悩する鴆に蛇太夫が反旗を翻した。組を見限った蛇太夫は鴆を葬り去り、一派を乗っ取った上で奴良組から離反しようと企てたのだ。弱っている鴆を追い詰めていく蛇太夫。まさにとどめをささんとするその時、一人の男がその前に立ちはだかる。
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ぬらりひょんの孫